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東芝の企業秘密研究データを転職先の韓国企業に流出させたとして、東芝の業務提携先に勤めていた元技術者を、不正競争防止法違反の疑いで逮捕した。「NAND型フラッシュメモリ」というスマートフォンやデジタルカメラ、USBメモリーなどに使われる半導体の研究データを不正流出させた疑いが持たれている。 元技術者は2008年、東芝と業務提携をしている半導体メーカー「サンディスク」の技術者として勤務していた。当時、研究データを管理し、東芝のサーバーにもアクセスできる立場だった元技術者は、最新の研究データを記録媒体にコピーし、転職先の韓国企業「SKハイニックス」に提供した疑いが持たれている。そのデータは厳重に管理されていたはずの企業秘密にあたるものだった。 深刻化する先端技術の海外への流出。 その実態について、自らも韓国企業からスカウトされた経験を持つ半導体コンサルタントは「韓国の本社で、今度、こういう技術開発をすることになったと。こういう技術を持っている人材が必要だと、ファイルの中からピックアップするわけですね。スカウトする際には、年俸2倍から3倍を提示しますね。この技術をおみやげとして持ってきてくれと。その代わり、こういう年俸を払うよというやりとりがあって、日本の技術者が退職して、転職するという場合がある」と語った。 一方、半導体製造に関わるある日本メーカーの人は「日本では、リストラが多く行われていまして、そういったところにつけこんで、外国のメーカーが、高額な報酬で雇い入れて、そういったところから、情報が出ていくということもあり得る。産業スパイ的な動きに対して、強い罰則をつけないと防げないと常々思っていた」と語った。